東京五輪~サッカー日本代表:後編~
走った。
誰よりもゴールを目指して、走った。
「最後のけじめとして、麻也さん、宏樹くんにメダルを渡して帰りたい。」
3位決定戦を前に、強い決意を表明していたが、その想いは叶わなかった。
日本の20歳の至宝は、試合終了後のホイッスルとともに泣き崩れた。
声を上げ、タオルで顔を覆い、人目をはばからず泣いた。
3位決定戦、「日本対メキシコ」。
前半から厳しい戦いだった。
全体的に動きの重い日本代表は前半12分、コルドバのPKで先制を許す。
続く22分、FKからホアン・バスケスがあっさりとヘディングでゴールネットを揺らし、メキシコが2点リード。
その後もゴールを奪えない日本は、後半、さらに追加点を許してしまう。
交代出場した三苫が78分に1点を返したものの、時すでに遅し。
結局1-3の敗戦を喫した。
6戦連続の先発出場。
足が重い。それでもドリブルを仕掛け味方のお膳立てをした。
見せ場もチャンスもあったが、試合を決められなかった。
試合後は、「自分はそこまでのレベルになかったということ。」と完敗を受け入れた。
まだ、20歳。
我々は、あまりにも多くのものを彼に背負わせすぎたのではないだろうか?
試合後、そう感じずにはいられなかった。
これは、今大会取り沙汰されたメディアおよびSNS各種の問題である。
彼の涙を見て、本当に重圧が凄かったのだろうと思った。
一方で、それでも前を向こうとする、純粋に勝負に勝ちたかったというのも感じた。
後者の方であれば、彼はまだまだ大きくなる。
枯れるほど流した涙。
その先には、カタールW杯が待っているはず。
「A代表でポジションをさっさと掴んで試合に出て、W杯の始まる頃には代表で圧倒的な存在になっていないと遅い。この悔しさを感じてやっていくのもいい。」
日本の至宝は、ここからスタートする。
最後に、若き侍たちへ…。感動をありがとう!!
文責:株式会社REAL LIFE/専属ライター しまふくろう
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